Every Night Is Pizza Night by J. Kenji Lopez-Alt

タイトル

Every Night Is Pizza Night by J. Kenji Lopez-Alt, Gianna Ruggiero (Illustrator)

毎晩ピザナイト by J.ケンジロペス-アルト、ジャンナルッジェーロ(イラストレーター)

※タイトルの和名が見当たらない私がタイトルを和訳しています

米大手書店Barnes &Nobleの「Best Seller」であるこの本を読んでみることにしました。

あらすじ

ピザがだーいすきな主人公の少女ピポ。ピポは、ピザが世界で最高の食べ物であることを証明するために、ご近所をまわって他の様々な食べ物を試してみることにしました。はたしてピザは本当に「最高」の食べ物なのでしょうか。

レビュー

内容がシンプルで分かりやすく、単語力がない子供でも楽しめる本です。特に偏食気味の子供にはぜひ読んでほしい!世の中にはもっと多くの選択肢があるんだよ、試してみる価値はあるよ、と教えてあげるきっかけになる本でした。5歳の我が子も今まさに「麺」至上主義で、麺でなければ美味しくないと決めつけている節があるので読ませたい内容でした。

お話の中で、ピザの他に出てくる食べ物がbibimbap(ビビンバ)やMoroccan tagine(モロッコのタジン鍋料理)など国際的な料理が多くて、題材は食べ物にしているけれど、実は異文化理解に関する内容でもあるのかなと思ったりしました。自分の文化が一番だと決めつけず他の人の文化も知っていこうというメッセージが込められているのかもしれません。

また、tagine, machineや、duck, yuck、chili, silly などところどころにRhyme(韻)を取り入れているところがあり興味深いです。日本の学校教育で行われる英語ではあまり重視されないRhyme(韻)ですが、英語圏では幼児期から頻繁に学ぶ機会があります。Rhyme(韻)により言葉のリズムを学ぶだけでなく、単語がどうやってできているかを学ぶことができます。例えば文中に出てきたduckとyuckは、同じように言葉の最後に"-ck"がついているから最後が似た音になる。「つまり"-ck"はこういう音なんだ!」という具合に学びます。すると、同じように最後が"-ck"で終わる”truck”という字に初めて出くわしても同じ要領で読むことができるのです。RhymeといえばDr.Seussが有名ですね。

英語レベル毎のおすすめ度

この本のレベル感からおすすめする読者層を考えてみました。
レベル0:英語知識ゼロの未就学児へのおすすめ度
レベル1:英語10単語は分かる未就学児へのおすすめ度
レベル2:英語の基本的な会話が理解できる未就学児へのおすすめ度
レベル3:中学英語くらいの英語力はある大人へのおすすめ度

ちなみに我が家の英語【レベル0】の5歳児は英語が分からなくても楽しめ、さくっと最後まで読み終えました。大人も「Probably yes.」など主語述語がきっちりと存在しない口語の文章があったりするので、こんなかんたんな英語の表現もあるんだ!と気づきがあります。食事に関する表現も多い珍しい本なのでその点でも大人は勉強になります。

作品情報

対象年齢: 英語話者だと3歳~5歳くらいの子供向け
ページ数: 48ページ
発行:2020年
現地では15ドルほどで売られています

読み聞かせ動画

読み聞かせ動画を聞いてみたい方はこちら。なんと筆者ご本人による朗読です。

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